消化器疾患 川越駅徒歩1分の内科 川越中央クリニック

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胃炎

肝機能障害

沈黙の臓器と呼ばれる肝臓

肝臓は腹部右上に位置し、その重さは1.2~1.5kgと最大の臓器になります。その働きは判っているだけで500以上といわれ、肝機能を人工的な装置で全て代用することは難しいとされています。

また、肝臓は再生能力が強いことから2/3程度が失われても影響がなく、元のサイズに戻るともいわれています。このため、一部に損傷が生じても自覚症状が現れにくく、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。

肝機能障害とは、検査において肝臓の機能に異常を示す数値が出ることを指しており、これにより肝臓が何らかの障害を受けている症状が現れることをいいます。

肝臓の主な働き
  • 代謝
    アミノ酸などから体に必要なタンパク質や脂質を作り出す
  • 解毒・胆汁の生成
    不要物を処理して無毒化したり、胆汁で排出する
  • 貯蔵
    糖をグリコーゲンに変えて貯蔵、必要なときにグリコーゲンから糖を切り出して放出する

健康診断で「肝機能障害」とされるのは、血液検査で「AST(GOT)」「ALT(GPT)」「ALP」「γ-GTP」「ビリルビン」などの値が上昇しているということになります。

<AST、ALT、LDH、ALP、γ-GTP>
  • ASTとLDHは全身の多くの細胞に含まれているので、障害臓器の特定にはなりません。しかしALTは肝細胞に多く含まれる酵素であるので肝機能障害の指標になります。
  • ALPとγ-GTPは、何らかの刺激を受けると酵素活性が亢進し(酸素誘導)、それが血中の活性上昇をもたらすので誘導酵素とよばれます。またALPとγ-GTPは胆管上皮細胞に多く含まれており、胆汁の流れが詰まったとき(胆管閉塞)には胆管上皮細胞内から血中に逆流して高値を示します。したがって胆道系酵素ともよばれています。
<LDH/AST比>

LDHとASTの比から推定される疾患・病態

  • LDH/AST>10 溶血、無効造血、白血病、悪性リンパ腫、悪性腫瘍
  • LDH/AST=10 心筋梗塞、肺血栓塞栓症
  • LDH/AST<10 肝障害

○AST,ALT,LDH,CKは逸脱酵素といいます。これらの酵素を含有する細胞からなる臓器・組織が、何らかの障害を受けて細胞が壊死に陥ると、細胞内に含まれていた酵素が血液中へ出て行きます(細胞内から血液中へ逸脱する)。
よって、血液中のある逸脱酵素が高値を示しているときには、その酵素を含む細胞がたくさん壊れたと考えられます。

○ALTは肝細胞に多く含まれる酵素なので、AST,ALT,LDHがそろって高値を示す場合は、「肝臓が障害され、肝細胞がたくさん壊された」と推定することができます。

肝機能障害の原因の主なものとしては、

  • ウイルス性肝炎
    慢性肝障害の原因にもなるのがB型肝炎とC型肝炎です。急性肝炎の原因にはA型肝炎ウイルスやE型肝炎ウイルスがあります。
  • アルコール性肝障害
    肝臓が1時間に分解処理できるアルコールの量には制限があります。多量の飲酒後には何時間もアルコールを処理し続けなければなりません。この状態が長く続きますと肝臓に中性脂肪が蓄積し、30%以上溜まると脂肪肝になります。
  • 非アルコール性脂肪性肝疾NAFLD(Nonalcoholic Fatty Liver Disease)
    アルコール以外の原因で脂肪肝になるケースがあります。肥満や過剰な栄養摂取が原因となり、脂肪肝となり肝硬変へと進みます。
    また、糖尿病にかかっている方も脂肪肝から肝炎になる可能性があります。
  • 自己免疫性の肝炎や薬剤
    免疫の異常や、薬剤の分解処理がうまく機能しないことで肝機能障害が起きることがあります。
    薬剤の中には治療薬だけでなく、サプリメントなどの健康食品も含まれます。
肝臓が悪くなるとどのような症状が出る

急性肝炎では「目や皮膚が黄色く黄疸が出る」「尿の色が濃い」「だるい」「食欲がない」「吐き気がある」などの症状が出ます。しかし慢性肝炎では長年にわたり進行することから本人に自覚は無く、基本的に症状はありません、かなり進んだ肝癌でも無症状なことがあります。

このため、肝臓の病気はよほど進行しないと気がつくことがなく、気づいた時にはかなり病気が進んでおりこの時点ではもう元には戻りません。

 

便秘症

便秘の定義

排便回数が週3回未満、硬便が排便時の25%以上、用手的排便が25%以上、怒責・残便感・閉塞感が排便時の25%以上、などが機能性便秘の診断基準となっている。


【便秘の分類】

  • 便秘はその原因により機能性便秘と二次性便秘に分けて考える。
  • 機能性便秘とは、大腸や直腸の機能障害が原因で起こる便秘であり、便秘の大部分を占める。
    次の3型に分類される。
    ①弛緩性
    大腸の轜動や緊張の低下により、糞便の結腸通過時間が延長したもの。最も一般的な便秘であり、高齢者や長期臥床者に多い。
    ②痙攣性
    左側結腸の緊張が強く持続的な収縮(痙撃)を起こすため、結果的に糞便の結腸通過時間が延長する。過剰な収縮のため腹痛を伴うことが多く、ストレスや自律神経のアンバランスによって起こることが多い。
    ③直腸性
    慢性的に便秘を我慢することなどにより排便反射自体が起こりにくくなることや、骨盤底筋群の筋力低下や協調運動が障害されることにより生じる
  • 二次性便秘とは、
    ①器質性
    腸管に構造的な異常が存在し、物理的に便の通過を妨げることにより生じる便秘である。
    ②症候性
    甲状腺機能低下症などの内分泌疾患、パーキンソン病などの神経疾患、低カリウム血症などの電解質異常、糖尿病、透析などにより生じる便秘。
    ③薬剤性
    薬剤性の便秘は見落とされがちなので、服用している薬を確認する。

二次性便秘を来す主な原因

  1. 器質性便秘
    (器質性疾患)
    ・大腸、直腸腫瘍
    ・腸管外の腫瘍による圧排性狭窄(卵巣腫瘍,癌性腹膜炎など)
    ・開腹手術後の腸管癒着,狭窄
  2. 症候性便秘
    (神経疾患)
    ・パーキンソン病
    ・うつ病,摂食障害
    ・多発性硬化症
    ・脊髄損傷
    ・自立神経失調症
  3. 代謝性疾患秘
    ・糖尿病
    ・電解質異常(低カリウム血症,高カルシウム血症)
    ・甲状腺機能低下症
    ・副甲状腺機能亢進症
    ・褐色細胞膜
    ・慢性腎不全,尿毒症
  4. 薬剤性便秘
    ・止痢薬
    ・抗コリン薬
    ・麻薬
    ・カルシウム桔抗薬
    ・抗うつ薬
    ・パーキンソン病治療薬
    ・鉄剤,カルシウム製剤

便秘に対する治療方針やアプローチの考え方

1便秘に対するアプローチ
  • 多くの便秘が機能性便秘にあたるが、大腸・直腸の機能を客観的に評価することは困難である。また二次性の便秘には大腸がんなどの生命に関わる病気や、甲状腺疾患やパーキンソン病などの慢性疾患がひそんでいる可能性があり、二次性便秘の鑑別および除外を行う必要がある。
  • まず十分な問診が必要である。細径の便が出ていないか、便に血が混じっていないか、元来便秘ではないのに急に便秘を発症していないか、また使用薬剤などの問診がポイントとなる。
  • 腹部の診察では腸雑音の性状、圧痛の有無や部位、筋性防御や反跳痛の有無、腹部膨満の有無などの所見をとる。
  • 次に使用薬剤の把握、血液検査やレントゲン検査、便潜血検査を行い、二次性の便秘を除外する必要がある。便潜血検査が1回でも陽性の場合は、下部内視鏡検査を実施する。
  • 血液検査では貧血、炎症反応の有無、電解質,血糖値、甲状腺ホルモンなどの検査が必要である。
2治療方針
  • 二次性便秘となる薬物の投与、器質的疾患、全身疾患の存在がなければ慢性機能性便秘と診断し、治療を開始する。
3漢方薬
  • 弛緩性便秘に対しては
    大黄甘草湯(ダイオウカンゾウトウ),調胃承気湯(チョウイショウキトウ),麻子仁丸など
  • 痙攣性便秘に対しては
    桂枝加芍薬大黄湯(ケイシカシャクヤクダイオウトウ)、もしくは大黄の含まれていない桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)が使用される。
    大黄を含まない漢方製剤の代表が、大建中湯で使用しやすい。

作用機序からみた主な便秘症治療薬

分類 一般名 主な製品名 便秘に対する用法用量
刺激性下剤 大腸刺激性下剤 センナ アローゼ 1回0.5~1.0g
1日1~2回内服
センノシド プルゼニドン 1回12~24mg
1日1回,就寝前に内服
大黄ダイオウ 大黄甘草湯
麻子仁丸
1回2.5g
1日3回,食前あるいは食間に服用
ピコスルファート
ナトリウム水和物
ラキソベロン 1回5~7.5mg
1日1回,就寝前に内服
直腸刺激性下剤 ビサコジル テレミンソフト 1回10㎎
1日1~2回,肛門内に挿入
炭酸水素ナトリウム
無水リン酸二水素ナトリウム
新レシカルボン 1回1~2個を肛門内に挿入
浸透圧性下剤 塩類下剤 酸化マグネシウム 酸化マグネシウム
マグミット
マグラックス
1日2gを内服
*年齢・症状により適宜増減
糖類下剤 ラクツロース モニラック 1日19.5~39.0g
1日2回,朝タ食後に服用
*症状により適宜増減
上皮機能変容薬 ルビプロストン アミティーザ 1日24μg
1日2回,朝タ食後に服用
*症状により適宜増減
リナクロチド リンゼス 1日0.5mg
1日1回食前に服用
*症状により半量に減量
胆汁酸トランスポーター阻害薬 エロビキシバット水和物 グーフィス 1日10mg
1日1回食前に服用
*15mgまで増量可
浣腸薬 グリセリン グリセリン 1回50%液30~150mLを直腸内に挿入
年齢・症状により適宜増減

下痢症

ノロウィルス

感染性胃腸炎、食中毒を引きおこすことで有名なノロウイルス感染は、一年中発生しています。特に冬季(例年11月頃から増加して12月・1月がピーク)の感染性胃腸炎の主要な原因ウィルスで、集団感染を起こします。
「小型球状ウィルス(ノーオークウィルス)」と呼ばれていましたが、2002年に「ノロウィルス」と命名されました。

丈夫で感染力が非常に強く、100個以下のウィルスで感染します。
便や嘔吐物に大量のウィルスが含まれており、これらが下水を経由して川から海へと運ばれ、貝類(カキなどの二枚貝)に濃縮されることで再び人の口へと運ばれて感染します。カキなどの貝類が生成する毒素ではありません。

汚染された食品では、中心部を85~90℃で90秒以上の加熱(不活性化)が必要です。

生ガキの「生食用」と「加熱用」の違いは、養殖場所の河口からの距離(保健所が水質検査を行います)により分けられています。

ノロウィルスと言えば生ガキからの感染を思い浮かべる人が多いのですが、実は二枚貝全般でアサリやシジミなどでも汚染されていることがあります。しかし、これらはみそ汁やお吸い物として加熱されていることが多く、生で食べる機会が少ないことから感染源としてイメージされません。カキは生食が多いことから、問題となります。

主症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢で、通常3日以内に治癒する事が多く、潜伏期間は24~48時間で、感染しても症状が出ない場合もあります。感染後、1週間程度は糞便からウィルスが排出されます。

感染経路

経口感染となります。

  • 主に汚染された貝類を、生あるいは十分加熱調理しないで食べた場合に感染します
  • 感染した人の便や嘔吐物に触れた手指から、二次感染する食品に触れ、それを食べた人が感染、又は手指から口に入り感染します
  • 嘔吐物などの中の乾燥したウィルスが空気中に舞い、口に入り感染することもあります
対策
  • 手洗いの実行(排泄後、食事前には必ず)
  • 使い捨て手袋の着用
  • 次亜塩素酸ナトリウム0.02%液(商品名「ハイター」「ミルトン」)で消毒
  • まな板や包丁、食器、布巾等は、熱湯(85℃以上)で90秒以上の加熱
  • 入浴:症状改善後1週間は最後の順番に入ります、もしくはシャワーのみ
  • 通勤・通学は、下痢症状回復後1週間は注意(7日間は便などからウィルスが検出されるため)

診断・検査・治療

診断の補助として、便の中のノロウィルスを検出する検査で「ノロウィルス抗原検査」を実施します。重症化のリスクが高い「3歳未満・65歳以上・特定の疾患をもつ人」のみに保険適応となります。

残念ながら、ノロウィルスへの治療薬はありません。水分を補給して、体力の回復に努めます。嘔吐や下痢で水分補給が追い付かない場合や、体力の無い乳幼児や高齢者などは脱水を起こしやすくなります。脱水症状がひどいときは、点滴などの治療が必要になります。

なお、下痢止めを使いますとウィルスが体外に排出されず、回復が遅れます。水分補給を行いながら、水様便とウィルスを出し切ることが早期に回復するためには重要です。

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