働き盛りの世代を襲う男性更年期障害

更年期障害といえば女性の悩み、と思っていませんか。
男性の場合には、目に見えるはっきりとした変化を生じないことから、「男性には更年期障害は存在しない」と言われて来ました。
しかし最近では、男性ホルモンのテストステロンが加齢に伴う低下に基づく生化学的な症候群の存在が知られるようになっています。
LOH症候群:Late-onset hypogonadism syndrome(加齢男性性腺機能低下症候群)
と呼ばれて注目されています。
- 精神・心理症状
- 落胆、抑うつ、いらだち、不安、神経過敏、生気消失、疲労感、記憶力や集中力の低下
- 身体症状
- 関節や筋肉症状、発汗、ほてり、めまい、睡眠障害、記憶・集中力低下、骨粗鬆症
- 性機能関連症状
- 性欲低下、勃起障害、射精感喪失
「最近なんだか体がだるい」、「調子が出ない」「疲れやすい」「仕事に集中できない」「夜眠れない」などの症状がある方は、まずはかかりつけの医師へご相談ください。
ED(勃起障害)は健康のバロメーター
男性の性機能が低下してきますと、「歳だから」で片づけてしまいがちです。
男性更年期障害の初期段階で現れる典型的な症状がEDです。具体的には「夜間勃起」、いわゆる「朝立ち」が2週間に1度も無いという場合、EDの可能性も考慮に入れて医療機関を受診するのがよいとされています。
EDを自覚した場合には、早めに医師の診察を受けることが望ましいとされています。
なぜなら、EDの影には病気のサインが隠れていることが多いからです。
EDは性機能の衰えだけではなく高血圧、糖尿病、高脂血症などと密接に関係していることがあります。
「狭心症や心筋梗塞など心血管疾患を患った男性のうち67%で、発症の平均3年以上前にEDを自覚していた」との調査結果があります。
また、男性更年期障害の原因は、年齢に加えて生活習慣や医療的要因といった、環境的な要因が関与して起こることが多いため、症状が発症しますと活力の低下や脳活動の低下など、仕事を含めた社会生活にも強い影響をおよぼします。
また、男性ホルモンの低下と社会的成功が比例しているという研究結果もあることから、積極的な治療をお勧めいたします。
検査・治療
男性更年期障害の治療にかかる期間は、およそ1年間です。
血液検査や唾液検査で「男性ホルモン(テストステロン)」「副腎皮質ホルモン」などを測定します。
- 採血による各種検査(PSAマーカー検査、各種男性ホルモン、一般採血検査)
- 必要な方には、骨塩測定に血圧脈波、超音波検査 等
- 基礎疾患が多くある場合はレントゲン、心電図、呼吸機能検査も行う場合があります。
軽度の方には、対症療法で投薬等を行います。
また男性ホルモン低下が顕著な中等症以上の方には、男性ホルモンの補充療法を行います。
男性更年期の治療に関しましては、心血管疾患や前立腺がんなどを誘発すると一般的に言われておりますが、適切なかつ個人に合った治療を行えば、そのリスクは大幅に減少いたします。
治療による効果と副作用のリスクを天秤にかけても、治療による効果の方が格段に高いことが証明されております。
男性更年期障害外来
- 健康保険適用です。(初回費用は血液検査を含め約2,000円から)
- ホルモン補充療法については自費(保険外)となります。
- 初回は院長が診察いたしますので、平日(水曜日休診)の受付時間内にお越しください。
- 予約制ではありません。